Display and Store Furniture・Logo and Graphic Design
77 bake house
2025.10.15
ベーカリー「77 bake house」のロゴデザイン
店名「77 bake house」
初回のヒアリングで、オーナーが最も強調されていたのは「77」という数字への強い思いでした。それは自身の誕生年であり、パンの仕事に関わり始めた日でもある、きわめてパーソナルな象徴です。一方で、その意味は第三者には共有されにくく、文脈を持たない記号として受け取られる可能性もあります。
独立に際し、理屈を超えて自分自身を信じ切る姿勢は極めて重要です。私自身も独立の経験があるため、その覚悟や思いには深く共感しています。だからこそ、「77」をどこまで前面に出し、いかにして公共性のあるブランド要素へと転換するか。そのバランスの取り方こそが、本プロジェクトにおけるデザイン上の最大の課題でした。
一般的に「7」は縁起の良い数字として認識され、心理的にポジティブな印象を与えます。それが重なる「77」は、意味を知らずとも来店客の記憶に自然と残るシンボルとして機能すると判断しました。オーナーとも意見を重ね、由来を過度に説明するのではなく、象徴として店名に据えることで、直感的な親しみやすさと記憶性をブランドの核に置いています。
ロゴは「77」をベースに、矢印=町の話題を示すサイン、右肩上がり=気分が高まり前向きになる感覚といったイメージを抽象化。オーナーの想いを尊重しながらも、ユーザー視点では自然にポジティブさを感じ取れる造形へと落とし込みました。
「店舗サイン」
遠くからでも目に付き、高級感のあるステンレス製の立体サインで仕上げています。サイズ決定にあたっては、図面だけで判断せず、実寸の複数サイズサンプルを店舗の壁に当て、道路の各方向からの視認性や、主な購入者層である通行人の目線の高さによるバランスを確認しました。夜間は上部からスポット光源で照らし、趣のある陰影を演出しています。
「スタンドサイン」
スタンドサインは持ち運びが可能なサイズで制作しました。オープン時に店舗の入り口に置くことで、ユーザーがオープン・クローズの状態を視覚的に判断しやすくなります。デザインは店舗の雰囲気に合わせてイメージカラーのブルーを基調に清潔感のある印象にしています。
「ショップカード」
ショップカードには、営業圏の地図範囲をシンプルに記載しています。特に、近隣のオフィス街で働くオフィスワーカーと、周辺に居住する住民という二つの主要な客層を意識しました。
「ブランドパターン」
新しく店舗をオープンするオーナーには、打ち合わせにない店舗宣伝のアイデアがあふれています。そこで提案したのが、ブランドパターン「サーキュラー7」です。ロゴでは「77」をシンボル化して数字の要素が薄れていましたが、思い入れのある「77」をブランドパターンとして活用しました。運命の数字が韻を踏んで曼荼羅のように広がり、オーナーの思いを膨らませて顧客に伝えます。実際には、インスタのお知らせや店頭のスタンプで使用されました。